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特別受益の持ち戻しとは

  • 文責:弁護士 岡安倫矢
  • 最終更新日:2025年4月3日

1 特別受益の持ち戻しとは

相続人の一人が、被相続人から遺贈を受けた場合や被相続人の生前に贈与を受けていた場合、相続に際して、この相続人が他の相続人と同じ相続分を受けるとすれば、結果としてこの相続人だけが遺産を多く貰えることとなってしまい、不公平な結果となります。

このようなことを防ぐため、特別受益の持ち戻しという制度があります。

相続人に特別受益がある場合に、相続分の前渡しがあったとみて、相続分の計算時に特別受益を相続財産に加算して計算することを、特別受益の持ち戻しといいます。

特別受益の対象となるものとして、被相続人の生前に婚姻のための贈与を受けていた場合や、養子縁組のための贈与を受けていた場合、生活の資本として贈与を受けていた場合などが該当します。

特別受益として持ち戻しが争われる例としては、遺贈や生前贈与のほかに、被相続人の土地を相続人が無償で使用していた場合や、特定の相続人が高額な被相続人の死亡保険金を受け取るようなケースがあり得ます。

特別受益の有無の認定は、過去の裁判例・判例を踏まえて、事案ごとの事情を分析する必要があるため、特別受益の有無については弁護士にご相談いただくことをおすすめします。

2 持ち戻し免除の意思表示

特別受益があったとしても、被相続人が特別受益を持ち戻さない旨の意思表示をしていた場合には、特別受益は持ち戻されません(民法903条2項)。

持ち戻し免除の意思表示が明示されていない場合でも、特別受益時の事情から黙示で認められることもあります。

例えば、農業を営む被相続人が、家業を承継させるために、特定の相続人に対して相続分以外に農地等の財産を相続させたような場合には、黙示の持ち戻し免除が認められる可能性があります。

また、婚姻期間が20年以上ある夫婦の一方が、配偶者に対して居住用の不動産を遺贈又は贈与した場合には、持ち戻し免除の意思表示があったと推定されます(民法903条4項)。

ただし、この規定はあくまでも推定規定ですので、被相続人に持ち戻し免除の意思表示がなかったことが明らかになった場合には、特別受益は持ち戻されることとなります。

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